後継者不足時代の農機具処分と事業承継対策:賢明な資産整理で次世代につなぐ農業経営

後継者不足時代の農機具処分と事業承継対策:賢明な資産整理で次世代につなぐ農業経営

         

2025年08月12日

日本の農業界は今、深刻な転換点を迎えています。農林水産省の統計によると、約7割の農業経営体が後継者を確保できていない現状があり、多くの農家が事業承継や農業からの引退を検討せざるを得ない状況です。

このような状況において、長年使用してきた農機具をどのように処分し、どう資産価値を最大化するかは、農業経営者にとって重要な課題となっています。適切な農機具の処分と買取戦略により、次世代への円滑な事業承継や、引退後の生活資金確保を実現することができます。

後継者不足の現実と農機具資産の有効活用

統計が示す農業界の厳しい現実

基幹的農業従事者は年々減少の推移をたどり、平均年齢においては高齢労働者の割合が高くなっている状況が続いています。この現実を踏まえ、多くの農業従事者が「いつ、どのタイミングで農機具を手放すべきか」という判断を迫られています。

2020年農林業センサスでは、農業経営体に対して農業後継者の確保状況を調査しています。その結果「5年以内に農業を引き継ぐ後継者を確保している農業経営体の数」は約7割が後継者を確保できていない状況となっています。

2020年農林業センサスの後継者確保状況別経営体数
(全国の農業経営体数(総計:約107万戸)

2020年農林業センサスの後継者確保状況を元に作成
参照元:2020年農林業センサス(農林水産省)
  • 後継者なし(45.8%)
    約49万戸の経営体で後継者が確保されていない状況
  • 後継者未定(18.6%)
    約20万戸で検討中
  • 後継者あり(28.2%)
    約30万戸で後継者が確保済み
  • 経営継承予定なし(7.4%)
    約8万戸で継承の予定がない

この結果は日本の農業が直面している深刻な後継者不足問題を明確に示しています。約半数の農業経営体で後継者が確保できていない状況が見て取れます。

農機具は単なる道具ではなく、重要な資産です。適切なタイミングでの売却により、事業承継資金や老後資金として有効活用することが可能です。特に、大型トラクターやコンバインなどの高額機械は、数百万円の価値を持つ場合があり、その処分方法によって大きな差が生まれます。

中古農機具市場の活況を活用する

中古農機具市場は海外輸出が加速しており、2023年度の売上げは前年比16%増と好調な状況が続いています。この市場の活況は、農機具を売却する側にとって追い風となっています。

特に日本製の農機具は海外での評価が高く、国内での需要減少を海外需要がカバーしている状況です。この傾向を理解し、適切な買取業者を選択することで、予想以上の高値での売却が可能になります。

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中古市場で高く売れる主なメーカー

日本の農機メーカーは世界的にも評価が高く、中古トラクター市場でも人気を集めています。とくに買取時に高値がつきやすい、代表的なメーカーをご紹介します。

ヤンマー

1912年創業のヤンマーは、国内シェア2位を誇る老舗メーカー。もともとディーゼルエンジンに特化していたため、パワフルで耐久性の高いトラクターを生産してきました。新的なテクノロジーの採用や、幅広いラインナップとカスタマイズ性で人気があります。
最新モデルの使いやすさもさることながら、古いモデルでも故障が少なく、海外でも人気があります。

ヤンマー

ヤンマーは長い歴史を持つ農機具メーカーでありながら、常に最新のテクノロジーを積極的に採用してきました。自動運転技術、精密農業技術、データ解析など、農業の生産性向上や持続可能性を支援するための革新的な機能を農機具に組み込んでいます。

ヤンマーは畑作から稲作、果樹園、牧場など、さまざまな農業環境に適した農機具を提供しています。さらに、異なる作業ニーズに合わせてカスタマイズが可能なモデルも提供しており、農家の要求に応じて最適な機材を選ぶことができます。

クボタ

1890年創業のクボタは、日本を代表する農機具メーカー。特にトラクターの分野で高いシェアを誇り、80〜90年代のモデルでも世界中で現役として活躍しています。耐久性の高さに定評があり、中古市場でも人気が高いメーカーです。また、アフターサービスにも定評があり、「クボタ=トラクター」の強いブランド力が高価買取の要因となっています。

耕耘機 | クボタ | L1-205D

クボタ

クボタの農機具は、耐久性の高さに定評があります。中古市場においても、買取査定の際に致命的な故障がある機種は少なく、多くの場合は状態良好なため高価買取しやすいという特徴が挙げられます。

クボタのブランド名や耐久性の高さは農家の方であれば知らない人はいないと言っても過言ではありません。そのため、中古市場でも非常に人気が高く、高価買取実績が圧倒的に多いのもクボタの農機具の大きな特徴と言えるでしょう。

ニプロ

1950年創業のニプロ(Niplo)(松山)は、農機具の国内シェアでNo.1を占める最大手の農機具メーカーの一つです。 クボタ、ヤンマー、イセキ、三菱などメーカーごとに互換性を持つラインナップを有しており、中古市場でも非常に人気が高いため、実際に当店でも多数の買取実績があります。

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ニプロ

ニプロの農機具は、高性能と効率性に定評があり、厳しい農業環境に耐えうる耐久性のある機器の製造に重点を置いています。

過酷な圃場条件下で酷使されても、長持ちする性能と最小限のメンテナンスの必要性を保証します。

事業承継を見据えた段階的農機具整理術

優先順位をつけた計画的な売却

後継者への事業承継を予定している場合、すべての農機具を一度に処分する必要はありません。使用頻度や後継者のニーズを考慮し、段階的に整理することが重要です。

まず、メンテナンス費用が高額になりがちな古い機械や、使用頻度の低い特殊な機械から売却を検討しましょう。一方、汎用性が高く、後継者にとって必要不可欠な機械は、適切にメンテナンスを施した上で引き継ぐことを検討します。

税務面を考慮した売却タイミング

農機具売却による収益は税務上の取り扱いに注意が必要です。一度に大量の農機具を売却すると、一時的に大きな収益が発生し、税負担が重くなる可能性があります。

税理士と相談の上、複数年度にわたって段階的に売却することで、税負担を軽減しながら効率的な資産整理を行うことができます。また、事業承継税制の活用も併せて検討することで、より有利な条件での事業引き継ぎが可能になります。

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農業引退時の農機具一括処分で最大価値を実現する方法

農業からの完全引退を決断した場合、保有する農機具をいかに効率的かつ高値で処分するかが重要な課題となります。ここでは、一括処分時に最大の価値を実現するための具体的な方法をご紹介します。

専門業者による一括査定の活用

複数の農機具を同時に処分する場合、個別に売却するよりも一括での買取が有利になることがあります。買取業者にとっても効率的な取引となるため、個別売却時よりも高い査定額を提示してもらえる可能性があります。

ただし、一括買取の場合でも複数業者からの見積もりを取ることは必須です。業者によって得意分野や在庫状況が異なるため、同じ機械群でも大幅に査定額が変わることがあります。

付属品・部品の価値を見逃さない

農機具本体だけでなく、交換用パーツや付属品も重要な資産です。長年の農業経営で蓄積された予備部品やアタッチメント類は、それだけでも相当な価値を持つ場合があります。

買取査定の際は、これらの付属品も含めて評価してもらうことで、総合的な買取価格の向上を図ることができます。特に、生産終了となった古い機種の部品は、希少価値により高額で取引されることもあります。

後継者不足を抱える農機具の買い替えタイミングQ&A

「息子は農業を継がないと言っているが、まだ60代で引退は早い。しかし高額な農機具を今後も更新し続けるか悩んでいる。後継者がいない場合の農機具投資はどこまでするべきか?」

必要最低限の機能に絞った中古農機具を選ぶことで、過剰投資を防ぎつつ、作業効率も維持できます。たとえば、トラクターや田植機など頻繁に使う機械は中古の中でも状態の良いものを選び、使用頻度が低い機械はレンタルやシェアを検討するのもひとつの方法です。

「農地は近隣農家に貸す予定だが、30年使ったトラクターやコンバインなどの古い農機具が大量にある。廃棄費用も高額で困っている。後継者がいない農家の農機具を効率的に処分し、少しでも資産回収する方法はないか?」

農地を貸す予定とのことで、今後ご自身で農機具を使う見込みがない場合、その整理・処分は避けられない課題です。特に30年使い続けたトラクターやコンバインなどが大量にある場合、廃棄となると搬出・解体・処分費用がかさみ、費用面でも大きな負担になります。

そこでおすすめしたいのが、中古農機具店を活用した買取・引取サービスです。

たとえ古くても、動作確認ができる機械や、部品取りとして価値のあるものは多く、中古農機具専門店では無料査定・一括引き取りが可能な場合が多いです。

「近所の農家も高齢化で、みんな同じような悩みを抱えている。個別に農機具を処分するより、地域の農家が連携して効率的に事業承継や機械処分を進める方法はないか?」

近年は地域全体で高齢化が進み、農業の継続や農機具の整理に悩む農家さんが増えています。個別対応では手間もコストもかさみやすいため、地域の農家が連携して一括で対処するという考え方は、非常に合理的で効果的です。

その際に活用できるのが、中古農機具専門店での「まとめ買取・一括査定」サービスです。

最近では、農機具店の中にも「集落単位・組合単位での買取や整理」をサポートしてくれる買取業者があります。

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計画的な農機具処分で安心の事業承継・引退を

後継者不足という現実に直面する中で、農機具の適切な処分と買取は、農業経営者にとって避けて通れない重要な課題です。しかし、この課題を計画的に取り組むことで、事業承継資金の確保や引退後の生活安定につなげることができます。

重要なのは、市場動向を把握し、適切なタイミングで行動することです。中古農機具市場の活況が続く今こそ、農機具資産の価値を最大化する絶好の機会と言えるでしょう。

農機具の買取を検討される際は、複数の専門業者に相談し、最適な条件での売却を実現してください。適切な農機具処分により、次世代への円滑な事業承継や、安心できる引退生活の実現を目指しましょう。

ご相談は
「農機具買取専門農キング」へ

「農機具買取専門農キング」では豊富な知識とネットワークを活かし、買取可能な農機具の最大限の価値を引き出します。お悩みの方はお気軽にご相談ください。

「こんな古いのは売れないだろう」「壊れて動かないから」と諦めてしまうような農機具でも、農キングは積極的に査定します。

農機具資産の有効活用のためにも、一度査定を受けてみることで新たな選択肢が見つかるかもしれません。思わぬ高額査定につながる可能性もあるため、どんな状態の農機具でも諦めず、まずはお気軽にご相談ください。

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