【補助金制度を活用しよう】農機具の購入時に活用できる補助金ガイド

         

2025年12月25日

農業機械を取り巻く厳しい現状

現代農業において、トラクターやコンバインなどの農業用機械は「必須」といえる存在です。作物を効率的に生産し収穫するためには、どの農家も必要な物となっております。

最新技術を搭載した農業用機械は、各メーカーから次々と発売され、農作業の効率化に大きく貢献しています。

しかし一方で、近年の半導体不足に端を発した「部品の不足」や「工場稼働率の低下」により、機械類の価格は高騰を続けています。

さらに、諸外国の紛争や資源・材料単価の高騰の影響も加わり、農業界全体に「値上げ」という形で深刻な影響が出ています。

高額化する機械購入の課題

農業用機械は当然のことながら、長い期間使うとどこかに故障やトラブルが発生します。
エンジンなどの心臓部分が故障してしまった場合、最悪のケースでは買い替えなくてはいけません。

このような状況でも、機械は農家にとって無くてはならない存在です。しかし現在では、農機具の多くが高額化しており、経済的に苦しく機械の購入も躊躇しているという声が少なくありません。

そこで今回は、農機等を購入する際に活用できる【補助金】について詳しくご紹介していきます。

補助金の対象となる主な農機

農機具購入に活用できる5つの補助金

農機具の購入に使える補助金は、国や地方自治体によって多数あります。ここでは代表的な5つの補助金制度を紹介します。

それぞれの補助金によって対象者や期限や限度額、補助率などが異なるため、すべての補助金を利用できるわけではありません。

まずは、条件などを一つずつ確認して、ご自身が利用できる補助金を見つけてください。

1.小規模事業者持続化補助金

小規模事業者の販路開拓や生産性向上の取り組みを支援する制度です。農機具の購入も対象となる場合があります。

2. 経営継承・発展等支援事業

経営継承後の経営発展に向けた取り組みや、新規就農者の定着に向けた機械・施設等の導入を支援する制度です。

3. 経営発展支援事業

地域の農業経営の発展を支援するための制度で、認定農業者などが対象となります。

4. 強い農業づくり支援

産地の収益力強化と持続的な発展を図るため、産地・事業者が行う高性能な機械・施設の導入を支援する制度です。

5. 農地利用効率化等支援交付金

担い手への農地集積・集約化を加速するため、地域の中心となる経営体の経営発展に必要な農業用機械・施設の導入を支援する制度です。

※上記補助金情報は2025年12月現在の内容です。

また、上記の補助金以外にも、地方自治体独自で補助金事業を実施している場合もあります。
最寄りの地方自治体の農政担当課、商工会議所などで問い合わせ、事業に合った補助金について詳細を確認してみるのも良いでしょう。

農キングでは、様々な農機具の買取を取り扱っています。

補助金活用時の重要なポイント

事前準備が成功のカギ

補助金の申請には、事業計画書の作成や各種証明書の準備が必要です。公募開始から締切までの期間は意外と短いため、早めの準備が重要です。
各補助金の実施要綱は、農林水産省や各自治体のウェブサイトで公開されているため、早めに確認することをお勧めします。

補助金ごとの要件を正確に把握する

各補助金には独自の要件があり、対象となる経営体や機械の種類、使用目的などが細かく定められています。自分の状況に最も適した補助金を選びましょう。
地域の農政担当部署に相談したり商工会議所や農協に問い合わせすると、過去の採択事例を教えてもらえる可能性もあります。

採択されても全額が補助されるわけではない

多くの補助金は補助率が1/2や2/3となっており、残りは自己負担となります。補助金を前提とした資金計画を立てる際は、自己資金の準備も忘れずに行いましょう。
また、補助金を受け取った後は、適切に機械を導入し使用していることを報告する必要があります。報告を怠ると、補助金の返還を求められる場合もあります。

対象機械を確認する方法

1. 各補助金の実施要綱を確認：農林水産省や各自治体のウェブサイトで公開
2. 地域の農政担当部署に相談：導入予定の機械が対象になるか事前確認
3. 商工会議所や農協に問い合わせ：過去の採択事例を教えてもらえることも

問い合わせできる機関

導入を検討している農機具が補助対象になるかは、具体的な機種名や型番を持って、直接相談窓口に確認するのが最も確実です。

補助金申請の基本的な流れ

1. 情報収集：自分に適した補助金を見つける
2. 事業計画の策定：機械導入の目的と効果を明確化
3. 必要書類の準備：見積書、経営状況がわかる書類など
4. 申請書の作成・提出：期限内に正確な情報で申請
5. 審査・採択：審査結果の通知を待つ
6. 交付決定後の購入：必ず交付決定後に発注する
7. 実績報告：導入後の報告書を提出
8. 補助金の受領：審査完了後に入金

【重要】交付決定前に機械を購入してしまうと補助対象外となるケースがほとんどです。必ず交付決定を待ってから購入手続きを進めましょう。

【まとめ】補助金を賢く活用して経営を強化

農業用機械の高額化が進む中、補助金制度の活用は経営の大きな助けとなります。

ただし、補助金は「申請すれば必ずもらえる」というものではなく、事業計画の内容や地域の状況、予算の制約などによって採択の可否が決まります。

複数の補助金制度を比較検討し、事業の経営状況や導入したい機械に最も適した制度を選ぶことが大切です。また、不明な点があれば、最寄りの農業協同組合や自治体の農政担当課、商工会議所などに相談することをおすすめします。

計画的な準備と適切な申請で、補助金を活用した効率的な農業経営を実現しましょう。