【離農を考えたら知っておきたい】手続きと農機具処分の完全ガイド
【離農を考えたら知っておきたい】手続きと農機具処分の完全ガイド
2026年01月26日

この記事で分かること
- 離農とは何か?農業をやめるという選択について
- 離農を考える3つの主な理由
- 離農時に必要となる手続きと注意点
- 離農後に直面する3つの課題
- 農機具の処分方法、5つの選択肢を徹底比較
長年続けてきた“農業”から離れるという決断は、決して簡単なものではありません。しかし、高齢化や後継者不足、経営の厳しさなど、さまざまな事情で離農を決断する農家が増えているのが現実です。
離農にあたり「農地をどうするか」や「使わなくなった農機具をどう処分するか」など、検討すべき事柄が数多くあります。事前に正しい情報を把握しておくことで、手続きをスムーズに進められるだけでなく、農機具を有利に処分して新生活の資金を確保することも可能です。
この記事では、離農時に必要な手続きから農機具の賢い処分方法まで、実践的な情報を詳しく解説します。
離農とは何か?農業をやめるという選択
離農とは、これまで家業として営んできた農業を廃業すること、あるいは農業に従事していた人が農業をやめて他の職業に就くことを指します。
深刻化する農業従事者の減少
農林水産省が公表した「令和5年農林業センサス」によると、農業就業人口は約116.3万人となり、前回調査時(2020年)にいた約152万人から35.7万人も減少しています。
わずか5年間で約23%もの農業従事者が失われたことになります。
さらに注目すべきは、自営農業に日常的に従事する「基幹的農業従事者」の動向です。令和5年のデータでは約120万人となっており、平成27年(2015年)の約175.7万人と比較すると、10年間で約56万人減少という深刻な状況が浮き彫りになっています。
この数字が示すのは、日本の農業が構造的な転換期を迎えているという現実です。離農は個人の問題にとどまらず、日本の食料安全保障にも関わる社会全体の課題となっています。
【引用元】農林水産省「農業労働力に関する統計」
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なぜ離農を考えるのか?3つの主な理由
1. 高齢化によるリタイアの波
離農の最大の要因は、農業従事者の高齢化です。
令和5年農林業センサスによると、基幹的農業従事者のうち65歳以上が約82.7万人で全体の約68.9%を占めています。一方、49歳以下はわずか約13.7万人(11.4%)に過ぎません。
この年齢構成を見れば、今後も高齢化に伴う離農が加速することは避けられないでしょう。体力の限界、健康上の理由、あるいは配偶者の介護といった事情で、農業を続けることそのものが困難となるケースが増えています。
2.後継者不足という構造的問題
次世代への経営継承ができないことも、離農を選択する大きな理由です。
農林業センサスによると、7割以上の経営体が「農業経営を引き継ぐ後継者を確保していない」と回答し、「後継者を確保している」経営体は全経営体の4分の1程度に過ぎません。また、近い将来に経営継承が必要と思われる70歳以上の経営主では「後継者を確保している」状況が3割にも満たないのが現状です。
「子どもや親族が農業以外の職に就いている」や「都市部で生活している」、あるいは「農業経営の厳しさを見て継ぎたがらない」など、理由はさまざまです。
近年は家族以外の第三者に経営を引き継ぐ「第三者農業経営継承」という選択肢も注目されていますが、新規就農者数は減少傾向にあり、後継者を見つけることは容易ではありません。
※上記後継者確保状況情報は2020年農業センサスを元とした内容です。
3. 新規就農者が直面する厳しい現実
農業に新たに参入した人の中にも、早期に離農するケースが少なくありません。
全国新規就農相談センターの調査によると、新規参入者のうち就農後3〜4年で農業所得のみで生計が成り立っているのはわずか24.9%、就農5年以上でも48.1%と半数以下という厳しい実態が明らかになっています。
初期投資として数百万円から1,000万円以上の設備費用が必要な上、収穫して収入を得るまでの生活費も確保しなければなりません。天候不順による収穫減や市場価格の暴落など、予測不可能なリスクも常に存在します。
理想と現実のギャップに直面し、農機具や施設のローンを抱えたまま離農せざるを得ないケースも少なくないのです。
【引用元】農林水産省「新規就農者調査結果」
離農時に必要となる手続きと注意点

農業をやめること自体には特別な届出は不要ですが、農地の扱いや各種制度の利用には手続きが必要です。
農地転用の手続き(農地を別の用途に変更する場合)
離農後、農地を住宅地や駐車場、太陽光発電設備の用地などに転用する場合は、農地法第4条または第5条に基づく許可が必要です。
日本では、国土面積に対して耕作可能面積が限られており、食料自給率の向上のためにも農地を保全する必要があります。そのため、農地の無秩序な転用を防ぐことを目的に、法律による規制がかけられているのです。
手続きの流れ
- 区市町村の農業委員会に相談
- 必要書類(許可申請書、土地登記簿謄本、公図、位置図など)を準備
- 農業委員会に申請書を提出
- 農業委員会による現地調査・審査
- 都道府県知事(または農林水産大臣)の許可
農キングでは、様々な農機具の買取を取り扱っています。
重要な注意点
無許可で転用すると農地法違反となり、工事の中止や原状回復命令が出されます。命令に従わない場合は、3年以下の懲役または300万円以下の罰金という重い刑罰が科される可能性があります。
【⚠️】転用できない農地もある
すべての農地を自由に転用できるわけではありません。
- 農業振興地域内農用地区域内農地(農振地域・青地):優良農地として指定されており、原則として転用不可。ただし「農振除外」の手続きを経て農振除外が認められた後、転用可能になる場合もあります。
- 市街化調整区域内の農地:市街化を抑制する区域のため、転用には都道府県知事の許可が必要となり、要件も厳しくなります。
農地転用を検討する際は、まず自分の農地がどの区域に該当するのかを確認することが第一歩です。
経営転換協力金(旧・離農給付金)の活用
離農する際、農地を農地中間管理機構(農地バンク)に貸し付けると、経営転換協力金を受け取ることができます。
対象となる方
- 農業部門を減少させて経営転換する農業者
- 農業からリタイアする方
- 農地を相続したが農業経営を行わない方
要件
- 地域集積協力金と一体的に取り組むこと
- 農地バンクに対し、すべての農地を10年以上貸し付けること
交付額
- 10aあたり1万円
- 上限:1戸あたり25万円
この制度は農地の有効活用と担い手への集積を促進するためのものです。自分で農地の借り手を探す手間が省け、安定した貸付収入が見込めるメリットがあります。
詳細は各都道府県の地方農政局または市町村の農業委員会にお問い合わせください。
【引用元】農林水産省「農地中間管理機構」
その他の手続き
農業者年金の手続き
農業者年金に加入している場合は、離農に伴う手続きが必要です。経営を継承した場合の特例などもあるため、農業者年金基金に確認しましょう。
各種補助金・交付金の返還
認定農業者として受けていた補助金や、青年就農給付金などを受給していた場合、離農によって返還義務が発生する可能性があります。必ず事前に確認してください。
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離農後に直面する3つの課題

1. 農機具の保管場所問題
離農すると、使わなくなったトラクター、コンバイン、田植機などの大型農機具の扱いに困るケースが非常に多くなります。
- 高齢の親が離農したが、農機具をそのまま屋外に放置している
- 農地転用で敷地が狭くなり、農機具置き場が確保できなくなった
- 倉庫を借りると維持費がかさむ
屋外に長期間放置すると、錆や劣化が進み、いざ処分しようとしても買取価格が大幅に下がってしまいます。できれば屋根とシャッターのある倉庫やガレージでの保管が理想ですが、それが難しい場合は早めに処分を検討すべきでしょう。
2. 借入金の返済負担
特に新規就農者の場合、施設や農機具のローンが残ったまま離農するというケースが深刻な問題となっています。
農林水産省のデータによると、新規就農時の初期投資(土地取得を除く)の平均は約569万円。農機具を新品で揃えると、軽く1,000万円を超えることもあります。
国や自治体は新規就農者向けに様々な支援制度を設けていますが、これらの補助は農業を継続していることが前提です。離農すると補助対象から外れ、多額のローンだけが残ってしまう可能性があります。
天候不順による収穫減や市場価格の暴落など予測できないリスクもあり、借金が膨らんだことが離農の直接的な原因になるケースも少なくありません。
3. 固定資産税の増加リスク
離農して耕作をやめた農地をそのまま放置していると、遊休農地や耕作放棄地とみなされ、固定資産税が大幅に上がる可能性があります。
通常、農地は税制上の優遇措置があり、固定資産税は宅地に比べて非常に低く抑えられています。しかし、適切に管理されていない農地は優遇措置の対象外となり、場合によっては通常の宅地並みの課税がされることもあるのです。
対策
- 早めに農地転用の手続きを行い、具体的な活用プランを立てる
- 農地バンクに貸し付けて経営転換協力金を受け取る
- 認定農業者や農業法人に貸し出す
いずれにしても、放置することが最もリスクが高い選択であることを認識しておく必要があります。
農機具の処分方法、5つの選択肢を徹底比較
農機具を処分するには、さまざまな方法があります。比較してみましょう。
| 方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 農機具専門の買取業者 【おすすめ度:★★★★★】 | ・適正価格での買取が期待できる ・査定・出張費用が無料の業者が多い ・古い機種や故障品でも買取可能なケースがある ・自宅まで引き取りに来てくれる ・手続きが簡単でスピーディー | ・業者によって査定額に差がある(複数社の見積もり推奨) |
| 農業協同組合(JA)に相談 【おすすめ度:★★★☆☆】 | ・信頼できる相手との取引 ・農機具の知識が豊富な担当者に相談できる ・離農全般の相談も同時にできる | ・買取価格は専門業者より低めの傾向 ・販売ルートが主に国内に限定される ・保管スペースの制約から、需要の低い機種は買取不可の場合も |
| ネットオークション・フリマアプリに出品 【おすすめ度:★★★☆☆】 | ・自分で価格を設定できる ・状態が良くニーズのある機種なら高値で売れる可能性 ・仲介業者を通さないため中間マージンがない | ・出品から発送まですべて自分で行う必要がある ・農機具の専門知識がないと適正価格がわからない ・大型機械の配送手配が困難 ・トラブル対応も自己責任 ・販売手数料(8〜10%)がかかる ・必ず売れる保証がない |
| 知人や後輩農家に譲渡 【おすすめ度:★★★☆☆】 | ・大切に使ってきた機械を必要な人に届けられる ・地域農業の継続に貢献できる ・名義変更などの手続きを協力して進められる | ・現金化はできない(または少額) ・譲渡後のトラブル(故障など)の可能性 ・適切な譲渡相手を見つけるのが難しい |
| 不用品回収業者に依頼 【おすすめ度:★☆☆☆☆】 ※この方法は最終手段と考えてください。 | ・処分費用を支払う必要がある(数万円〜) ・出張料、解体料などの追加費用が発生することも ・無許可業者とのトラブルリスク |
買取業者では、なぜ故障した農機具も買い取れるのでしょうか?
日本製の農機具は性能が高く、海外での需要が非常に高いため、動かない機械でも部品取りとして価値があります。エンジンやトランスミッション、油圧部品などは中古パーツ市場で取引されます。
そして、農機具はエンジンやバッテリーを搭載しているため「適正処理困難物」に指定されており、粗大ごみとして自治体に出すことはできません。不用品回収を利用する場合は、必ず市町村の許可を得た業者かどうかを確認してください。
ただし、買取不可と言われた機械でも、農機具専門の買取業者なら買い取ってくれる可能性があるため、処分費用を払う前に一度、農機具専門買取業者で査定を受けることを強くおすすめします。
【まとめ】離農後の新生活に向けて
離農は人生の大きな転機です。長年慣れ親しんだ農業から離れることに寂しさや不安を感じるのは当然のことでしょう。
しかし、離農は終わりではなく、新しい始まりです。適切な準備と手続きを行うことで、スムーズに次のステージへ進むことができます。
これまで培ってきた農業の経験や知識は、農業指導、地域活動、あるいは家庭菜園など、様々な形で生かすことができます。
「古いから」「動かないから」と諦める前に、まずは農機具の買取専門業者に相談してみることを強くおすすめします。思わぬ価格が付くこともあるため、処分費用を払うよりもずっと良い選択です。
放置されている農機具は、決してただの鉄くずではありません。適切に査定・売却すれば、まとまった資金になります。
農地や農機具の処分を適切に行い、すっきりとした気持ちで次のステージへ進んでみませんか?
この記事が、皆さまの離農準備の一助となれば幸いです。
農キング「お客様の声」で実証する満足度
【香川県】イセキ トラクター TA290Fをご売却のお客様の声

トラクターが古くなったので、新しいトラクターに買い替えようと思い、金額も良かったので売ろうと決めました。
査定の担当者が丁寧に説明してくれて、対応がとても良かったです。若いのにしっかりしていて、探してほしい機械を伝えたら、よく話を聞いてくれてありがとうございました。
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とても丁寧に査定をしてもらって本当に良かったと思っています。お世話になりました。ありがとうございました。
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3社見積を取って、他業者の方が値段が高かったのですが、処分したい物も一緒に引き取ってくれる農キングに頼むのが一番メリットがありました。
色々とお願いを聞いてもらって助かりました。ありがとうございました。お疲れ様でした。
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2社査定に来てくれましたが、同じ金額でも農キングさんのほうが機械の動作確認とか細かく見てくれて、ちゃんと機械をみて査定してくれたのでうれしかったから。
対応がよかったのでまたお願いしたいです。
ご相談は
「農機具買取専門農キング」へ
「農機具買取専門農キング」では豊富な知識とネットワークを活かし、買取可能な農機具の最大限の価値を引き出します。お悩みの方はお気軽にご相談ください。
「こんな古いのは売れないだろう」「壊れて動かないから」と諦めてしまうような農機具でも、農キングは積極的に査定します。
農機具資産の有効活用のためにも、一度査定を受けてみることで新たな選択肢が見つかるかもしれません。思わぬ高額査定につながる可能性もあるため、どんな状態の農機具でも諦めず、まずはお気軽にご相談ください。





